山奥には光ケーブルが無い
ある日、田舎の小さな村に住むタケシは、インターネット環境が必須だと痛感していた。彼の家は山奥にあり、光インターネットのケーブルが届くことは夢のまた夢。採算が合わないのも無理はない。たった一軒のために光ケーブルを引くなんて、まるで村の中の一軒家のために宇宙から光を送るようなものだ。
「そりゃそうだよねー」とタケシは独り言をつぶやきながら、モバイルWi-Fiを手に入れることにした。近くに立っているアンテナのおかげで、電波は良好。使い放題プランにして、YouTubeの動画もサクサク見れる。工事も不要で、持ち運びもできる。これぞ、田舎暮らしの新しい友だ!と彼は心の中で叫んだ。
友人が遊びに来たときには、パスワードを教えてあげると、なんと10台までつなげることができる。村の中で「Wi-Fi王」として君臨するタケシは、友人たちに自慢げにこの話をするのが好きだった。
しかし、唯一の欠点があった。それは、アップロードに時間がかかること。写真をAmazonのストレージにアップロードするのに、まるでタイムマシンで過去に戻るかのように時間がかかる。動画をYouTubeにアップしようと思ったら、10分の動画が20分から30分もかかる。タケシは「どうしてこんなに時間がかかるんだ!」と叫びながら、画面を見つめる。
「まあ、それだけ」と自分に言い聞かせ、アップロードが終わるのを待ちながら、ふと考えた。「今後、光ケーブルがこんな山奥に来るとは思えないし、スターリンクが来てくれたらいいのになぁ」と夢想する。
そんなある日、タケシのもとに一通の手紙が届いた。差出人は「宇宙通信会社スターリンク」。なんと、彼の村にもスターリンクのサービスが開始されるというのだ!「これでアップロードもサクサクだ!」とタケシは大喜び。
しかし、次の日、村に現れたのは、なんと宇宙人だった。彼らは「私たちの技術はすべて無料ですが、あなたの村のWi-Fi王としての称号をいただきたい」と言った。タケシは「それは構わないが、アップロード速度を速くしてくれ!」と叫んだ。
こうして、タケシの田舎生活は、宇宙人とともに新たなインターネット時代を迎えることになった。村の人々は、彼を「Wi-Fi王タケシ」として崇め、宇宙人たちは彼のために特別なアップロード速度をもたらした。
そして、タケシは今や村のヒーロー。田舎でのインターネット生活は、思いもよらぬ形で進化を遂げたのであった。